リスクは悪?

投資の世界では結果が不確実なことをリスクと言うという。「ハイリスク・ハイリターン」という有名な言葉にそのエッセンスが端的に表されている。この世界では「リスクを取る」という考え方は、必ずしもネガティブではない。むしろ、リスクを取って成功をおさめる人々が賞賛されるのでは無いだろうか。

一方、私が属するICTの世界では「リスクは負ってはならないもの」である。受託範囲、受託金額、納期などをすり合わせる(交渉する)側としては「リスク」はネガティブなものでしかない。それは、わかる。この世界でよく使われる言葉は「リスク管理」や「リスクヘッジ」である。そのココロは、「他社に責任を押し付けること」である。

私はICTの会社に努めておきながら、新規ビジネスを企画/開発することが仕事である。市場のターゲティングから、サービスの仕様、収益計画、スケジュールなどは自分が決めるものであるから、投資の世界のリスクの定義がしっくりする。手堅いが大儲けできないサービスを開発する戦略を取ることも、不確定な要素が多いが当たれば大儲けできる(外して大損するかも知れない)戦略を取ることもできる、つまり「ハイリスク・ハイリターン」を選べるからだ。

新規ビジネス(自分が属する会社にとって経験が無いビジネス)をやるからには、リスクを取って新しいことをやないと、意味がない。しかし「リスクは負ってはならないもの」という文化で育った方々との意思疎通は難しい。

まずは、「リスク=悪いこと」という考え方を、変えていきたい。

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